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他人の影響

 さて,ここであなたは自分と同程度の仕事をしていると思われる同僚がいたとします.これについて2つのケースを考えます.

ケース@:自分は20万円のお給料,他の全員が25万円のお給料を     得ている.
ケースA:自分だけが18万円もらって,他が15万円もらっている

 あなたならどちらを選びますか?

 人の行動原理には何らかの準拠点といいましょうか,基準になるものがあります.
 多くの場合,「他人と比べて自分が幸せかどうか」というように自分と他人とを比べて,他人よりも得していたい,他人よりも損したくない,ということを基準にして行動を起こします.

 これを上に書いたケースにあてはめますと,お給料額という経済面でみるとケース@の方が選ばれるかも知れませんが,満足度という点ではケースAの方が大きいと思いませんか?
例え,お給料少なくても周りの人が自分よりも少なかったら,まぁええかいな,と思う人は多いと思います.

 と,いうことは他人に依存している人は,自分の満足度とか幸せ度の大きさはまわりの人に左右されるということになります.
 ケース@のように絶対的な価値(お給料額)が高くても,お給料の低いケースAの方が満足度が上回ることもあるのです.

 それと,過去,現在,未来という時系列の状況にもその個人の満足度は影響を受けます.
 絶対的にみて現在,不幸せでも,過去よりはマシだと満足しますし,過去よりも悪くなったら不満に思います.

 次にボランティアをしている人について考えてみます.先ほどの満足度とは違った満足度を得ている人もいます.

 ボランティアに一生懸命打ち込んでいる人や他人のことなど目もくれず我が道を追求している人がいます.
 こんな人は上で挙げた選択とか満足度のレベルよりもさらに深いところに行動原理がありそうです.
 自分の中で一貫した意味のある行動をとることによって,自分の世界に価値を見出そうとする行動です.

 この場合,他人のお給料がどうあれ自分の満足できる仕事ができれば,お給料が安くとも満足を得ることができると思います.
 
 画家が絵を描くように,水泳選手が泳ぐように,他人はどうあれ自分の中の目標をクリアできれば満足できるのと同じです.そして,賞とかメダルはおまけみたいなものなのかも知れません.

 
他人に依存していると,他人の状況によって自分が浮き沈みしてしまいます.

 ある人は自分のまわりにいる人を落とすことによって,自分を保とうとしました.少なくとも自分の中において相対的には,まわりの人よりも上にいるかも知れませんが,絶対的にみて何ら自分は変化していないのです.むしろ後退しているのではと思います.

 あの会社はオレに合っていないんだ,オレがモテないのはこの社会のせいだ,という友人がいます.そのくせ,それを改善する行動は何らとっていないんです.

 自分にとって絶対的なものって何なのかもう一度考えてみることも必要だと思います.

 じゃ,お前はどうなんや?と尋ねられると,私自身,友人にお給料額を尋ねて,自分と大差ないと安心しますし,自分よりも多いと嫉妬さえします.
 実際,私は自分のお給料ほど働いていないとも思うのですが,家族を持ったのでそれで満足はしていられないと思い,自分の中に目標を持ちました.

 今回は長々とすみません.

このお給料の話をモテないくんの状況にあてはめると,また一つ問題点が浮き彫りになってきます.


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