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ちょっとした一言

 「20.甘え上手下手」のところで甘えることも大切ですよ,と書かせてもらいました.しかし,ただ甘えるだけではダメなのです.

 私は学生時代にひょんなことから,幼なじみ(♂)と半年間一緒に暮らしたことがありました.彼のことをKとしましょう.Kは幼いときからわがままでした.どちらかというと,何でも自分の思い通りにしたい人間なのです.

 一緒に暮らすということは,一緒に食事をするということになります.Kはまったく料理ができません.そこで,少し料理のできる私が料理当番をすることになりました.
 Kは食べたら食べたでそのまま.片づけを手伝ってくれといわないと何もしてくれません.次第に私にイライラが募ってきました.

 しかし,いつも気がついたらKの分も料理を作っている自分がいるのです.「なぜなんだろう???」とひとりで考えてみてもよくわからないので,他の友人に相談してみると,「そりゃ,Kくんのちょっとした一言が効いてるんじゃない?」とのことでした.

 よくよく考えてみると,Kは私の作った料理を美味しそうに残さず食べてくれますし,「やっぱり,Koishiの作るご飯はうまいね〜」とお世辞かも知れませんがいってくれるのです.そうすると私は「しょうがないな〜」ということになって,またご飯を作ることになるのです.

 例えば,プレゼントをお世話になった人にあげたとします,その時,あげた人が「ありがとう」と喜んでくれれば,こちらとしても,あげてよかったなって思います.

 人から何かをしてもらったら,感謝の気持ちを素直に短いことばや簡単な態度でいいので表現したいものです.

 そのあたりのちょっとしたツボを押さえられるかどうかで,状況は随分と変わってくると思います.


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