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誰もわかってくれない

 「自分のことを誰もわかってくれない」と言う人がいます.

 それは本当なのでしょうか?私はこのことばを聞くたびに疑問に思います.
 では果たして,その人は自分のことをどのくらい知っているのでしょうか?

以前,私は後輩にそういった質問をしたことがあります.その時返ってきたのは,

 「自分のことはよく知っていますから.........」

と言ったきり,ことばが出てきませんでした.

 ずいぶん前の方でも書いたと思いますが,私は学生時代,就職活動の際に履歴書を書く練習をしました.いざ書こうと思っても,自分の長所とか短所などについて書けなかったんです.

 オレって,協調性あるんだろうか?オレって,忍耐強いのだろうか?たくさんの疑問が出てきました.

 正直いいますと,それまでの私は自分のことがキライで自分自身のことなんか知りたくもなかったのです.つまり,自分の本当の姿を知るのが怖いので避けていたんですね.
 だから自分の長所・短所などの欄を書くときは,とってもしんどかった記憶があります.自分の性格が暗いのか明るいのかさえわからなかったのですから.

 あなたは今,自分の性格を箇条書きにできますか?書けるとしたらどのくらい書けますか?

 一方,他人の短所と長所は書けますよね.特に短所は簡単に書けると思います.

 いざ,自分のことを書こうとしてもついペンが止まってしまう人は,いままで自分のことを知ろうとしていなかったのかも知れません.心当たりはないでしょうか.

 何もせずして自分の情報(性格など)を知ろうと思っても,自分自身で認知できる量なんてたかだか知れています.

 ではどうやったらそれを知ることができるのでしょうか.その方法は2つあると思います.

1つ目は,第三者からの目を介して客観的に知ること.
2つ目は,ひとりで何かを極めようとしていくうちに自分のことを知ること.

いかがでしょうか?



 話を最初の方に戻しますと,誰も自分のことをわかってくれない,自分のことはよく知っている,ということばは自分の思い込みから発生しているに過ぎないのです.

 自分自身で第三者の客観的な目から冷静に見ることができれば,このようなことはなくなると思います.

 自分ではベストだと思ってやってきたことは,実は人に不快な思いをさせていたなんてこともあるのです.
 もし,何かをする際にも「もしかして,これってベストではないかも...」と,もう1つの答えを意識することができれば勘違いの回数が減り,もっと対人関係がスムーズになるのではないかと思います.

 如何にして勇気を持って自分の思い込みを排除するか.これは対人関係をよくしていくための大きなポイントとなります.

 自分は社会から阻害されているんだ,と自分を落とし込むことによって,目の前の困難から逃げる口実を作りあげているのです.あなたの周りにはあなたがどんどん落ちていくのを見て,安心している人もいます.
 何もしなければ,そういった人達のえじきとなってしまうのです.

 重力の働いている地球において,放っておけばモノは下へ落ちていきます.
 自分のことを客観的に知るという行為をしなければ,楽しい人生,自分らしい人生からどんどん遠ざかっていくことになります.
 
 私も人のことばかり言っていますが,特に仕事面ではそれができていないんです.今年で社会人6年目,自分の実力のなさがどんどん浮き彫りになってきました.悔しい思いをすることが増えました.


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